広報モニターと行く
あいち手しごと訪問記［三河木綿］
愛知県にはそれぞれの地域で受け継がれている特産品が数多くあります。その手しごとの生産現場を広報モニターが訪れ、作り手の思いや商品の魅力に触れていきます。
第3回目は三河木綿の特性を生かして誕生した多重織ガーゼの製織や縫製の現場を訪れました。
［2024年1月30日訪問］
●取材協力
【中瀬織布合資会社】
天然素材の糸にこだわり、肌触りや使い心地を追求した布地を生産。年間約30万mを織る多重織ガーゼケットは国内屈指の生産量。
中瀬孝充（なかせ たかみつ）さん
「原料の糸は天然素材のみ。『使って心地よいもの』を作ることに一番こだわります。」
【株式会社ガーデン】
中瀬織布の生地を使い、主に寝装具用品、ベビー用品を手掛ける。確かな技術とていねいな仕事で、長く愛される商品作りに力を尽くす。
柴田 守（しばた まもる）さん
「『当たり前のことを、手を抜くことなくしっかりする』この思いを大切にしています。」
●三河木綿とは
三河地方は1200年以上前に綿が伝来した地とされ、江戸時代には綿花栽培と綿織物が盛んに。明治時代には高品質の綿織物として「三河木綿」の名が全国に知られるようになりました。
柴田さん「古い歴史と新たな技術の融合をめざして生まれた6重織ガーゼ。それまで、ほとんど前例がなかったガーゼ織物の商品化に成功しました。」
《6重織ガーゼとは》
吸湿・発散性と保湿性を兼ね備え、夏は素早く汗を吸い取り、冬は暖かい空気の層を作り出します。天然素材の綿は、赤ちゃんや敏感な肌の方も一年を通して快適に使うことができます。
◎現場見学レポート
『製 織』中瀬織布にて
＼コンピューター化された織機で、複雑な柄を生産します／
・生産は冬場が最盛期。湿度が低い冬は糸が切れやすく、機械の誤動作の原因になる静電気も発生しやすいため注意が必要。コンピュータで室温の管理や加湿をします。温度や湿度によってタテ糸の張り具合やのりの量を調整します。
中瀬さん「職人の目と感覚を頼りに、約8000本のタテ糸を1本ずつセットします。張りの強さやバランスが重要。使うのはヨーロッパ製の織機。壊れると部品調達に時間がかかります。」
＼織目の細かさが異なるガーゼを一度に織って空気の層を作ります／
・ガーゼケットの断面。荒い目のガーゼを細かい目のガーゼで挟んでいます。
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『検 反』中瀬織布にて
＼湯洗いの前でないと補修はできません／
・生地の表面と、裏面・両端の2回に分けて検品をします。抜けてしまった場合、タテ糸は手作業で補修します。
中瀬織布の職人「両端は見落としやすいので、より注意しながら検品します。」
広報モニター「すごく繊細な作業ですね！」
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『湯洗い』
・製織時に付けたのりや細かなホコリなどを洗い落とします。
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『縫 製』ガーデンにて
＼1枚ずつ裁断することで布目に対して真っすぐに裁断できます／
・布目に対して真っすぐに裁断するためにヨコ糸を1本抜き、そのラインに沿って裁断します。
・機械で一気に裁断せず、1枚ずつていねいに手で裁断します。
ガーデンの職人「裁断面が布目からズレると、商品のねじれや糸抜けの原因になるので、ひと手間かけて裁断します。」
＼毎日使うものなのでしっかりした縫製は大切です／
・切り端からのほつれを防ぐために、下縫いと本縫いの2度縫いをします。
★組合員が手触りを実際に確かめました
広報モニター「すごく柔らかくて、触り心地がいいですね。とても軽くて、6枚も重なっているとは思えません。」
・洗濯をして、のりを落としてから使用するのがおすすめです。
【東海コープ限定品】
5月3週の「食品&雑貨」で利用いただけます
「三河木綿の6重ガーゼやわらかケット(シングル ブルー＆生成り)」※数量限定150点
軽くて柔らか、伝統の三河木綿を使った６重ガーゼケットです。使い込むほどに風合いがよくなるのが特徴です。「空気をたっぷり含む6層構造。両面使えるリバーシブル生地です」
《現場見学と生産者の話を聞いて》
・杉浦さん（刈谷市）
人が生まれて初めて触れる布はガーゼ（おくるみ）なので、以前から興味がありました。たくさんの織機が稼働する様はとても迫力があり、ミシン職人の高い技術にも驚きました。
・棚橋さん（刈谷市）
商品ができるまでに、多くの方のさまざまな工夫と努力があることに感心しました。身近にこんなに素晴らしい技術を持った生産者がいると知って、誇りに思います。私も積極的に使いたいです。
・林さん（あま市）
天然素材にこだわった生地はとても柔らかく、やさしい肌触りで気持ちがいいです。私や祖母は敏感肌なのでぜひ使いたいです。秋冬でも快適に使えるとは、目からウロコでした！
〈一緒にレポートしませんか？〉
広報モニターは、意見や感想を伝えることや、座談会などで、ウィズコープを支えています。
次回募集は2025年春予定。
