• FACEBOOK
  • LINE
  • Instagram
  • YOUTUBE

MENU CLOSE

ウィズコープ 2024年 2月号 テキスト版

ウィズコープ2月号

 

広報モニターと行く
あいち手しごと訪問記[有松絞り]

愛知県にはそれぞれの地域で昔から受け継がれている特産品が数多くあります。その手しごとの生産現場を広報モニターが訪れ、作り手の思いや商品の魅力に触れていきます。
第2回は有松絞商工協同組合の山田さんの案内で、有松絞りにたずさわる職人のみなさんの元を訪れました。

 

●有松絞りとは 全国の約9割以上の絞りを生産
約400年前に有松・鳴海地域で、知多木綿を絞って藍染めしたのが始まり。サラリとした肌触りのよさから浴衣の素材として人気を集めました。近年では商品展開も豊富になり、洋服やバッグ、小物などがそろいます。

絞りとともに発展をとげ、歴史的な建物も数多く残る有松は「日本遺産」に認定されています。

有松絞商工協同組合 山田剛生(やまだ たけお)さん
「すべて手作業で仕上げる有松絞りは、模様の形、染めの具合などが微妙に異なり、ひとつとして同じ物がありません。」

 

◎現場見学レポート
伝統的な有松絞りは分業制。
1枚の布が各工程の職人へと次々に受け渡されて1つの商品として完成します。

『絞りの準備』
図案作成
・毎年新しい図案(柄)を作成します。

型彫り
・図案に合わせて型紙に小さな穴を開けます。
◎実際の型紙を見せていただきました
広報モニター「1つ1つ手作業なんですね!」

下絵刷り
・型を使って布に絵を刷ります。付いた丸に添って縫っていきます。

 

絞り
・愛知県絞工業組合  絞りLabにて

・見学した技法は1つの絞りを作るのに布を糸で3~4重に巻きます。着物用の一反(約12m)で約3万粒あり、熟練の職人でも仕上げるのに2カ月ほどかかります。
◎現在、有松地区の絞り職人は減っています

\絞りの技法は100種類以上! それぞれ専門の職人がいます/
絞り職人「一人前の職人になるには約5年間の修業が必要。各絞りの技法によって、使う道具も異なり、それぞれ技を極めます。根気が必要な仕事なので担い手がなかなか定着しません。」

\1つの生地に幾つもの絞り技法を用いる場合は、何人もの職人が手掛けていきます/

★組合員も絞りに挑戦しました
広報モニター「巻き方、力の入れ具合が難しくて全然糸が巻けません…」


染色
・藤沢染工場にて

・最初に技法や仕上がりのイメージを確認して染め方を考えます。絶え間なく棒でかき混ぜながら染色します。

\染料を溶かした熱湯の中に生地を入れて染めます。夏はとても暑く、大変な重労働です/
染色職人「一反の生地の場合、むらができないように染め上げるのは難しく、経験と勘が必要です。」

・手染めは思い描いた色を出すことができ、ムラなくキレイに仕上がります。乾燥も自然乾燥にこだわっています。
・さまざまなオーダーに応えるため、毎回色を調合します。


糸抜き
・染め上がった生地には、まだ糸が付いたまま。

\糸を抜くのも専任の職人で約1週間かかります/

抜糸職人「ここで生地に傷を付けてしまうと、これまでみんなが積み重ねてきた仕事が水の泡に。」

広報モニター「生地を広げるとキレイな模様が!」

 

【東海コープ限定品】
「有松絞り手ぬぐいハンカチ」
巻上絞り(まきあげしぼり)技法を使って、一枚一枚職人の手でくくり、手染めしています。
生協オリジナル商品です。
「有松の職人たちの手で作りました。お楽しみに!」
次回予定:5月ごろ

 

●取材協力 有松・鳴海絞会館/有松絞商工協同組合
絞りの歴史資料や技術の展示、伝統工芸士の職人による実演も。絞り体験や、有松絞りを使った衣類や小物の販売もしています。
山田さん「絞り職人の技を間近で見学できます」

 

《現場見学と生産者の話を聞いて》
・溝口さん(豊川市)
たくさんの職人さんが協力して、1つの商品が出来上がると知って驚きました。この素晴しい伝統を守りつつ、若い人たちともどんどん協力して新たに発展していくことを願います。

・塚本さん(稲沢市)
職人さんたちに実際に話を聞き、どんな思いで、もの作りをしているかを知ることができました。これをきっかけに、また有松を訪ねて絞りの歴史や背景をもっと深く知りたいと思いました。

・井戸さん(名古屋市)
絞り体験をして、糸を巻く大変さを実感しました。湯気が立ち込める中で染色することがいかに大変かも直に感じました。今までとは違う目で有松絞りを見ることができるようになりました。

〈広報モニターになりませんか?〉
産地訪問や座談会など、さまざまな「知りたい」「やってみたい」に参加してみませんか。
募集案内は本誌7ページに掲載。