もしもに備えて
知る・集める・やってみる
もしも災害が起きたとき、慌てず行動するためには日ごろの準備が大切。
認定NPO法人レスキューストックヤードの浦野さんに
私たち一人ひとりができる災害への備えについてお話をうかがいました。
【認定NPO法人レスキューストックヤード】 名古屋市東区泉1-13-34 名建協2階
過去の災害から学んだ教訓を伝え、災害に強いまちづくりのお手伝いをする名古屋の認定特定非営利活動法人。防災・減災対策に役立つ知恵やノウハウを提供しています。
●認定NPO法人レスキューストックヤード/浦野 愛(うらの あい)さん
「ひとくちに「災害の備え」といっても種類はさまざま。自分に適した備えを考えてみましょう」
【知る/自宅の被災リスクを知る】
自治体が作成したハザードマップ※で、自宅付近の被災リスクや避難所の位置を確認しましょう。
同じ場所でも洪水・浸水、土砂災害、高潮、津波など、災害ごとにリスクは異なります。
まずは、どの災害が起きたときに、どう行動するべきなのか、事前に知っておくことが大切です。
※災害のリスク情報を表した地図。行政のWebサイトなどで入手できます
【集める/避難計画を立てて必要なものを集める】
避難所までの移動方法や道順を家族と話し合いましょう。
自分たちに必要な物のリストを作って、事前に用意することが大切です。
○準備のポイント
>被災リスクが大きい
・ 無理なく持てる量を、すぐに持ち出せる場所に置く
・ 両手が自由になるリュックを活用する
>被災リスクが小さい
・ 使いながら備えるローリングストックを心掛ける
・ ライフラインが止まった状態でも生活できる「衣・食・住」の準備をする
[これが便利!]
防災士の選んだ避難用19点セット/次回予定:2月4週
「一時避難から避難所の体制が整うまで」を想定した防災用品のセット。
衣:冬は防寒、夏は暑さ対策も考えましょう。(寒さ対策…カイロ、湯たんぽ/暑さ対策…うちわ、冷却シートなど)
食:電気・ガスが止まっても調理できる準備をしましょう。
住:明かりは広い範囲を照らせる置き型タイプや、両手が使えるヘッドランプが便利。
《浦野さんからのワンポイントアドバイス/あると便利なこんなもの》
ポータブルバッテリー(蓄電池)/キャンプ用の小型サイズで太陽光で充電できるものなど。
帽子/防寒と頭を守る。髪が乱れていても帽子をかぶればへっちゃらに。
保湿クリーム、リップクリーム/ストレスから肌荒れになりやすいため、スキンケア用品はあると便利。
【やってみる/慌てず正しく使うために、一度やってみる】
いざというときに失敗しないために、準備した物を一度使ってみることも大切。
子どもや高齢の方は、用意した非常食が口に合うか食べてみると安心です。
被災時に一番困るのはトイレ。簡易トイレは慣れないと手間取ることが多いといわれています。トイレを我慢すると体調不良の原因にもなるため、被災時に気を付けるべきポイントの1つです。
●「経験しておくことで安心感や自信がつきます。キャンプ気分で気軽に挑戦してみましょう」
○1日をペットボトルの水だけで過ごしてみる
飲食、洗顔、トイレに流す水もすべてペットボトルの水だけにして、1日に必要な水の量を確かめてみましょう。
○自宅に簡易トイレを作り、使ってみる
水道・電気が止まってしまうと、水洗式トイレは流せなくなります。身近な材料を使って簡易トイレを作ってみましょう。
①便座を上げて水を抜き、便器にゴミ袋をかぶせる
・タンクの水も抜く
・すべて抜くと臭いがあがってくるので、少し残す
②穴の大きさにあわせて段ボールを入れる
③新聞紙を折って輪っかにし、レジ袋をかぶせる
④③のレジ袋の中にちぎった新聞紙や凝固剤を入れ、敷いたダンボールの上に置く
・中のレジ袋だけを取り替えるので、処理が楽
⑤トイレットペーパーは別のゴミ箱へ
・便などは袋をきつくしばってふた付きのごみ箱へ
・便の量は、固めると実はこぶし程度小さめのレジ袋を利用して、ゴミを減らしましょう
[これが便利!]
緊急用トイレ凝固剤500g(50回分)/次回予定:2月4週/雑貨別チラシ
◎組合員からの質問
Q:夜間災害が起きた場合の対応はどうすればいい?
A:照明がつかないと真っ暗です。日ごろから、寝室から出口までの通路に物を置かないようにして、枕元にはライト・笛・足を保護できるスリッパを置きましょう。
Q:感染リスクを考えると避難所に行かない方がよいのでは?
A:避難所の感染対策も仕組みづくりやマニュアル化がすすんでいますが、不安な場合は自宅の被災リスクと照らし合わせて判断しましょう。ホテルや親類・知人宅など、複数の選択肢を持つようにしておきましょう。
●できることからはじめよう!
「避難準備と聞くと大変そうに感じますが、あまり身構えずに自分の興味があることから始めてみましょう。肩の力を抜いて気軽に取り組んでみてください。みんなで話し合うことで、災害への意識が高まります。ご近所さんとも話しておくといいですよ」